マンション購入をしたら、税金が控除される可能性があるということをご存じでしょうか。マンションをローンで購入し、一定の条件を満たしている方は、所得税や住民税が控除される場合があります。忘れずに確定申告をしましょう。確定申告を忘れた、控除の対象でないといった場合には控除されません。一度自身が対象となるか確認しましょう。
マンションを購入したら確定申告は必要?
マンションを10年以上のローンで購入した場合、住宅ローン減税の対象となる可能性があります。忘れずに購入にした翌年3月までに確定申告をしましょう。2023年までに入居した新築マンションであれば、入居後13年間(2024年以降、性能住宅以外は10年)も税額控除を受けられます。現金で一括購入した場合には控除の対象となりませんので、確定申告は必要ありません。
住宅ローン減税の対象となるのはどんな場合?
住宅ローン減税の対象となるのは、次の条件をすべて満たすことが必須となっています。「すべて満たすとなると、対象でないかも」と思うかもしれませんが、条件のクリアはそれほど難しくはなく、対象となるケースが多いでしょう。主な条件は次のようになります。
条件1:返済期間が10年以上
まずは住宅ローンの返済期間が分割で10年以上の場合です。ただし、繰り越し返済して10年未満になってしまうと控除は受けられません。そして、マンションの取得日から半年以内に入居していること、また適用を受ける年の12月31日まで住み続けていることが挙げられています。購入して所有しているだけでなく、入居している、もしくは住民票を取得している必要があるため、長期リノベーションで年をまたぐ場合は注意しましょう。
条件2:床面積が40平米以上
また、広さの制限も満たす必要があります。登記簿上、床面積が40平米以上とされています。その上、床面積の半分以上を居住用として使う必要があります。よって、マンションの部屋を店舗や事務所として併用している場合、単身用のマンションは該当しないケースがあるでしょう。
条件3:年間取得金額が2,000万円以下
さらには、高所得層の人は控除を受けられません。その年の所得金額が2,000万円以下、50平米未満の部屋の場合は1,000万円以下でなければ控除が受けられません。所得には副業収入も含まるため、副業をしている人は該当しない場合もあります。
控除額は借入額や住宅性能によって異なる
控除額は入居した年や借入額、住宅性能によって変わります。控除額は借入残高に0.7%をかけて算出されます。借入残高の最大5,000万円までが対象となり、借入額が多いほど控除額が増えることになります。
また2024年以降はローン残高の上限額が変わりますので、2023年までに購入した方が控除額は高くなります。たとえば、長期優良住宅や低炭素住宅として認定されているマンションを5,000万円借り入れて2023年までに購入した場合、年間35万円の控除を受けられます。
そのほか、省エネ基準適合住宅を購入した場合にも、年間20万円から30万円ほどの控除が受けられ、控除額の総額は200~400万前後にもなるでしょう。
確定申告をし忘れたらどうなる?
確定申告は入居した翌年の3月15日までに申告が必要です。住宅ローンの残高証明書や収入がわかるもの、売買契約書、省エネ基準を証明する書類といった多くの書類の提出が求められます。必要書類を確認し、あらかじめ準備しておくようにしましょう。
ところで、翌年の確定申告で申告を忘れてしまった場合は控除が受けられないのでしょうか。忘れてしまい、申告期限が過ぎてしまっていても、一切受け付けませんということはありません。できれば期間内に申告すべきですが、忘れていたことに気づいた場合にはすぐに申告しましょう。
5年以内であれば還付を受けられます。しかし、所得税は時間をさかのぼって還付されますが、住民税はそれができません。納税額が決定し、通知書が発送されてしまうと適用されませんので、損をしないよう申告の期間には注意が必要です。
中古マンションの購入でも減税は適用されるのか
中古マンションであっても、10年以上の住宅ローンで購入し、要件を満たす場合には住宅ローン控除を受けられます。新築マンションと同様に0.7%の税率で、期間としては10年間の控除が受けられます。必ず申告するようにしましょう。要件については新築マンションとほとんど変わりはありませんが、築年数または耐震基準の条件が加えられることを覚えておきましょう。
「昭和57年以降につくられた新耐震基準適合住宅である」、「耐震基準適合証明書を取得している」、「既存住宅性能評価が耐震等級1級以上」、「既存住宅販売瑕疵保険に加入している」のいずれかを満たしている必要があります。
確定申告が必要かどうかをチェックしよう
では、自身が購入したマンションは確定申告が必要でしょうか。確定申告はマンションを購入した翌年に行うことで、2年目以降は手続きの必要はありません。税務署からもらえる書類を勤務先に提出し、年末調整してもらうことになります。一方、会社勤めをしていない個人事業主の方は、確定申告での申告が必要です。最初の申告の際に、税務署で翌年以降の手続きについても確認しておく必要があります。
しかし税金は複雑でわかりにくいものです。不安なこと、知りたいこと、確認したいことがあれば、税務署や近くの住まいの相談窓口での相談をおすすめします。住まいの相談窓口であれば、マンション購入の際の節税対策についても無料で詳しい話をしてもらえたり、アドバイスがもらえたりするため、気軽に相談してみましょう。
まとめ
マンションを購入したら、固定資産税がかかるだけと思っていた方もいるかもしれません。新築でも中古でも、10年以上のローンで購入した時には確定申告を行わないと損をしてしまいます。また申告忘れによっても損をしてしまうこともあるので、初年度に確定申告を行うことをしっかりと頭に入れておきましょう。
また、住宅ローン控除は2025年まで延長となりましたが、この制度がいつまで続くかわかりません。マンション購入を考えている方は、この数年でじっくり検討したいのではないでしょうか。住宅の購入計画で悩んだ時は、住まいの相談窓口で相談してみるのもよいでしょう。